【シーリング工事とは?】種類と施工手順について

2022.10.04

多くの建物の外壁にはつなぎ目部分があります。
モルタル外壁は塗り壁なのでこのつなぎ目はありませんが、窯業系サイディングをはじめとした外壁パネルをつなぐのが、シーリングとよばれるゴム状の充填剤です。
外壁塗装の際は、このシーリングを新しくする工事も含まれていることがほとんどですが、初めて工事をお願いするという方は見積書の項目部分で「これはいったい?」と首を傾げたかもしれません。

シーリングは外壁だけでなく、室内でも重要な役割を果たしている建材です。

このシーリングを新しくする工事の種類、施工手順について紹介したいと思います。

■シーリングとは?

シーリングは先述したとおり、外壁のつなぎ目に詰められるゴム状の建材です。
隙間から雨が入らないようにする防水や、室内の温度を一定に花粉・PM2.5などの微小粒子の侵入を防ぐ気密性の保持など、さまざまな役割を担っています。外壁パネルのつなぎ目だけでなく、窓サッシの周りにも使用されています。
外壁以外だとキッチンやトイレ、浴室などの水回りでも使用されており、角部分や設備と床・壁の境目などに使用されているのがよく見られるでしょう。

なお、窯業系サイディング・金属系サイディングなどの外壁仕上げ材は、外気温の変化や湿気などによって伸び縮みすることから、つなぎ目部分に力が加わります。そのような力を吸収するので、建物を長く保つことにおいても一役買っている地味にすごい存在です。地震が発生した際も同様、外壁で生じた揺れや衝撃を吸収するので、劣化していなければひび割れが走ることも少ないでしょう。

■シーリングの劣化サイン

このシーリングが劣化してしまうと、上に紹介した防水性・気密性・衝撃吸収力が低下してしまうので、建物の寿命が落ちやすい状態になります。
これらの劣化サインが見られたら、外壁自体の防水性も著しく失われていると考えられるので、外壁塗装を検討してみるといいでしょう。

・汚れがくっつく
輪ゴムを何年か放置したらべたべたになっていた、ということはありませんか。
これはゴムのなかに含まれる可塑剤が原因となっており、経年劣化したシーリングはこの可塑剤が表面ににじみ出すことで、ホコリや汚れがくっつきやすくなります。
汚れの目立ちにくいベージュやブラウンなどの中間色なら、気づいても目立ちにくいですが、白や黒などのはっきりした色は遠目でもシーリング部分が分かるほどの汚れが目立ちます。

・弾力がなくなる、厚みがなくなる
可塑剤がなくなってしまうと、シーリングからは弾性が失われて硬くなってしまいます。地震の揺れなどの衝撃が加わると、外壁にひび割れが発生しやすくなるでしょう。

・ひび割れ
柔軟性が失われたシーリングは、ひび割れを起こします。
水分を失って表面がパリパリになったおもちのような感じですね。
ひび割れの隙間から雨水などが浸入するようになってしまうので、見つけたら早めに対処しましょう。

・はがれ
シーリングがぼろぼろと剥がれて、大きな裂け目ができている状態です。
雨漏りによって建物内部が腐ってしまい、耐震性にも影響が出てしまう可能性が高いので、安全性の確保のためにもシーリングの打ち替えを行ったほうが良いでしょう。

■シーリング工事の種類と費用

シーリング工事には、打ち替え工法と打ち増し工法の2種類があります。

・打ち替え工事
既存のシーリングを取り去り、新しいシーリングを充填する工事です。
シーリングと外壁のメンテナンス時期は10年とほぼ同じなので、たいていは外壁塗装といっしょに行われます。
塗装前もしくは塗装後に施工しますが、塗料のコーティングがされることから塗装前に行ったほうが、長く保つ傾向にあります。
費用としては900円~1,200円/mほどで、平均的な2階建て戸建て住宅では180mほどあることから、162,000円~216,000円ほどが目安でしょう。

・打ち増し工事
既存のシーリングをそのままに、上から新しいシーリングを重ねます。
打ち替えよりも安価ではありますが剝がれやすいため、そこまで修繕に費用をかけたくなく、売却を考えている方に向いているでしょう。
こちらの費用は500円~900円/mなので、90,000~162,000円が相場と言えるでしょう。

■シーリング工事(打ち替え)の施工手順

シーリングの打ち替え工事はどのように行われているのでしょうか。

① 古いシーリングの撤去
古いシーリングをカッターで切り離し、引っ張って剥がします。
その他取りきれなかったシーリングをそぎ取り、残ったホコリをハケで掃き出して、新しいシーリングがしっかりとくっつくようにきれいにします。

② バックアップ材を入れる
シーリングを取り去ってできた溝に、バックアップ材という固いスポンジに似た建材を詰めます。
詰めることによってシーリング剤をきれいに施工できるほか、深さ調整ができるなどのメリットがあります。

③ 養生する
溝のふち部分にマスキングテープなどを貼り、つなぎ目部分以外のところにシーリング剤がつかないよう養生します。

④ プライマーを塗る
溝の側面にプライマーという接着剤のような下塗り材をハケで塗ります。
これでシーリングがくっつくようになります。

⑤ シーリング剤を充填する
あらかじめ硬化剤を混ぜておいたシーリング剤(2成分形の場合)を充填します。
隙間ができないように多めに注入するのが普通です。

⑥ ならす
均等になるよう、ヘラを使ってならします。
中に隙間がある可能性もあるので、ただならすだけでなく、最初はぐっと押さえ込むようにします。

⑦ 養生の撤去・乾燥
くっついてしまわないよう乾ききらないうちに、養生で貼ったテープを剥がします。

■まとめ

シーリング工事は外壁塗装の一環として行われることも多く、打ち替えれば高い防水性を発揮するので、お家がメンテナンス時期にありましたらぜひ検討してみてください。

RYNK技建 (リンクギケン) は大阪市を中心に近畿一円で、シーリング工事のほか外壁塗装などの塗装工事を承っております。
塗装・シーリング打ち替えを同時に行うことができますので、施工業者をお探しでしたらぜひ私たちにお任せください。
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